なにかの後継ではありません。現在のラインアップからすれば、まったくの新しいモデルといっていいのがFタイプです。しかし、時としてこのクルマには「復活」「復権」なる言葉が用いられます。それは、なぜか? 現在のジャガーはスポーティさをベースとしたプレミアムブランドとして認識されていますが、もともとはリーズナブルなライトウエイトスポーツとして注目されたのです。もうお分かりでしょう。このFタイプは現代のスポーツカーへの、ジャガーからの回答でもあるのです。
- ■全幅は1925mm これでスポーツカーなの?
- 搭載されるV8&V6エンジンは、挟角90度の新設計エンジン。まずV8を開発したのですが、振動バランスから理想とされる90度を選択したとのこと。きわめて理想を追求するやりかたが、今の時代にあって魅力的です。ところが、このエンジンの幅広さが全幅を規定してしまったともいえるわけです。しかし、全長は4470mmと短く、できるだけオーバーハングも切り詰めたとのことです。ともかくも、可能な限り切り詰めて出来上がったパッケージがこのサイズとのこと。果たしてどんなクルマなのでしょうか? 詳細は本誌で!
- ■特徴はオールアルミボディだけではありません!
- オープンボディを前提にしながら、軽量化を実現するために採用されたのがオールアルミボディ。エンジンをフロントミッドシップに配置したFRレイアウトとすることで、重量配分は前後50:50を実現しています。軽量とハイバランスもこのFタイプの魅力とするところ。さらに注目は、クラムシェル・ボンネットを採用していることです。このクラムシェルとは、フェンダーまで覆うボンネットのこと。ジャガーは衝突時に歩行者保護のためにボンネットを火薬で持ち上げる特許を持っていますが、その際に問題となるのがホイールハウス部分。ボンネットがそこまで覆うことで、通常時はできるだけボンネットを低くすることができたのです。その点からも、よりスタイリッシュに仕立てられたのがジャガーFタイプといえるようです。