メルセデス・ベンツより新型Aクラスがドラスティックな進化を果たして登場しました。これまでの、フロアが高く背の高いハイト系のスタイルから、全高が低く重心の低いコンパクトハッチとなりました。一見すると、その印象は実にスポーティ。ハッチバックといえば経済的な印象ですが、メルセデス・ベンツはこの分野に小さな高級車のコンセプトを持ち込んだようです。ぜひ、その内容を本誌でご確認ください。
- ■Bクラスの進化から見えていたその流れ
- 初代からのAクラスBクラスともに、新時代のパワーユニット=バッテリーの搭載位置を見据えて、フロアを2重構造としていました。そのためにフロアが高く、全高の高いスタイルとなっていました。しかし技術は進み、次世代パワーユニット用のバッテリーなどは、リヤシート下以降に搭載できるという想定のもと生まれたのが新しいプラットフォームです。その先陣を切って登場したのが新型Bクラス。こちらはキープコンセプトともいえる居住性を極限大きくすることを狙い、ルーフを高く、より快適な室内を実現しました。しかし、AクラスはBクラスが守備範囲を広げたところから、より異なる方向性を求めたようです。
- ■これから先にも拡大されるFF路線
- 新しいFFの低床プラットフォームは、いろいろな価値を生む可能性が見えてきました。そのひとつが、新型Aクラスとなって現れています。コンパクトでスポーティなハッチバックモデルです。多くのクルマがユーティリティを優先するあまり、走る楽しさを阻害しがちななか、その楽しさを重視したともいえるパッケージです。加えて、その楽しさとは上級セダンにも通じるものでした。そこで、軽量&コンパクトと上質な仕上げを組み合わせる。そんななかで、セダンユーザーをも取り込む、新たな価値をAクラスに与えることができたようです。これもひとつのダウンサイジングといえるでしょう。